ぶっくま

あさのが読んだ本の備忘録

恋愛ドラマ

恋愛中毒

『恋愛中毒』/山本文緒 夫に捨てられた女は色恋から距離をおくも タレントの男に拾われ呆気なく恋に落ちる 女にだらしないタレントの男 男の周りにいる女たちに嫉妬する女 恋敵の存在を燃料に独占欲を燃やす女の 痛々しい姿が赤裸々に描かれる Amazonで読む…

やめるときも、すこやかなるときも

『やめるときも、すこやかなるときも』/窪美澄 成り行きで一夜を共にした男女 それぞれが心に傷を抱えた二人は 傷の癒しを相手に求める 依存関係を恋と混同した二人 ぎこちない不安定な関係は結末を迎えても どこか心許ない余韻が残された Amazonで読む 書…

愛じゃないならこれは何

『愛じゃないならこれは何』/斜線堂有紀 ままならないのが恋 そんな恋に翻弄される人々を描いた短編集 人を好きになるということ 好きという感情は同じでも 人によってその形には様々な紋様が刻まれている 思わずツッコミを入れたくなるような カラフルな恋…

星のように離れて雨のように散った

『星のように離れて雨のように散った』/島本理生 過去に傷を持つ二人の男女の恋 それぞれが違和を抱えたまま生き急ごうとする 気付きと混沌の間をひたすら彷徨う物語 薄暗い森に引き込まれ沈鬱するも 気がつけば光の中に立たされ終項を迎えていた Amazonで…

マチネの終わりに

『マチネの終わりに』/平野啓一郎 出会った瞬間に惹かれ合う二人 それぞれが抱える人生の葛藤が二人を翻弄する 頑強な設定に裏打ちされた心理描写 心の底からほとばしる心情と行動 深く重みのある文体から紡ぎ出される映像 大人の恋の物語、堪能しました Am…

陽だまりの彼女

『陽だまりの彼女』/越谷オサム 気まぐれで風変わりだった中学の同級生 取引先にいた彼女と偶然に再会し交際が始まる 甘々な蜜月が続く中に置かれる 隠された秘密がありますよという伏線 最後の最後に明かされた秘密にですよねと納得しました Amazonで読む…

センセイの鞄

『センセイの鞄』/川上弘美 高校時代の先生と飲み屋で再会した女 記憶に薄かったはずの先生に好意を寄せてゆく かつての先生と生徒という関係の間にある隔壁 大人となった女は歳の差をも余裕で受容する 静かなる文体の中に見え隠れする熱い心情 女性という…

累々

『累々』/松井玲奈 複数の男と同時進行で付き合う女の子 行動の心理が明示されることはなく 過去の片思いだけが象徴として横たわる 掴みどころがなく揺れ動く心情 少女と大人の狭間の不安定な女性像が 行間からこんこんと湧いてくる Amazonで読む楽天で読む…

あなたがはいというから

『あなたがはいというから』/谷川直子 大学の同窓生と再会した男女が過去の恋に火を付ける物語 還暦を迎え大学時代の恋人と再会した二人 それぞれが抱える家族の問題が二人の距離を縮めてゆく 歳をとっても恋の記憶は褪せることがない 人間は幾つになっても…

ラストは初めから決まっていた

『ラストは初めから決まっていた』/小手鞠るい 振られた元恋人の友達と新たな恋に落ちる物語 元恋人に利用されていた真実を知る女の子 残酷な真実を教えてくれた元恋人の友達に複雑な感情を抱く 砂糖を蜂蜜で煮込んで黒蜜をかけたような 甘くて甘すぎるラブ…

2020年の恋人たち

『2020年の恋人たち』/島本理生 事故で母を亡くし母の店を引き継ぎながら恋に翻弄される女の子の物語 自立した女に群がるハリボテのような男たち 愛人という肩書きで死んだ母を見てきた女は 恋愛に懐疑的で近づく男たちを切り捨てる 恋愛という病に免疫を持…

桜のような僕の恋人

『桜のような僕の恋人』/宇山佳佑 病に侵され死にゆく自分の姿を見せたくなくて別れてしまった恋人たちの物語 好きの気持ちが嘘になってしまった二人 愛が未熟なまま病が二人を分かちすれ違う 会いたいのに会えない 相反する気持ちの中で揺れる感情 この物…

ぼくは明日 昨日のきみとデートする

『ぼくは明日昨日のきみとデートする』/七月隆文 時間進行が真逆の男女が中間地点の二十歳で恋愛をする物語 不思議な何かに惹かれるように出会ってしまう二人 時を重ねるごとに積み重なる違和感 そこにあるのは濃密でかけがえのない時間でした 切なさと愛お…

人のセックスを笑うな

『人のセックスを笑うな』/山崎ナオコーラ 既婚の美術の先生と恋に落ちた大学生の切ない物語 どこかの誰かのありふれた恋の物語 不安定な女は大人になっても不安定で 不器用な若い男は恋の幻想に翻弄される 誰にでも経験のある切なく意味不明な恋のファンタ…

あなたの愛人の名前は

『あなたの愛人の名前は』/島本理生 ちょっと訳ありな大人たちの恋模様を描いた短編集 心の隙間にそっと差し込むような恋の予感 誰かを裏切ってまでもそこに手を伸ばしてしまう背徳感 恋という魔法に翻弄される人の心の在り処を 見せつけられました Amazon…

ぷくぷく

『ぷくぷく』/森沢明夫 部屋にある金魚鉢の中から見守った女の子の恋の物語 最初から最後までなにか雑音のない静かな場所で 情景を見ているような感覚 実際そういう物語なのだけど その静けさの中でぷくりと弾ける感情の泡が心を揺らす 揺れる心の余韻をい…

夜は短し歩けよ乙女

『夜は短し歩けよ乙女』/森見登美彦 天真爛漫な女の子と彼女に恋をする大学生の物語 文中に仕掛けられた無数の引用とお茶目な言葉たち 読み進めながら次はどこに飛ばされるのだろう そんなドキドキを感じながら物語を楽しみました キラキラとした街を散歩し…

植物図鑑

『植物図鑑』/有川浩 道端で拾った家事が得意な男に恋をする女の物語 おーなんてファンタジーと読み進めていたら 「すてきなファンタジーではない」と終盤に否定されたので やられた〜と思いながら、いやこれ完全にファンタジーだよねと粘る僕 路傍の人と草…

スプートニクの恋人

『スプートニクの恋人』/村上春樹 エキセントリックな三人の恋の三角関係 初項を開いた途端に村上ワールドの襲撃を受けた 久しぶりに感じるこの感覚 内容に関しての感想は差し控えたい なぜなら考え始めると終わりがないから 考えずに感じる それが村上作品…