ぶっくま

あさのが読んだ本の備忘録

大人は泣かないと思っていた

『大人は泣かないと思っていた』/寺地はるな

片田舎に住む人々の家族と人生が描かれた連作短編集

家族が抱える問題、世代間ギャップ、田舎特有の世間の狭さ

誰もが不可避な生きづらさを抱えながらも

側にいる誰かに支えられ救われる姿に心が洗われる

リアルで身近な内容に引き込まれました

 

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アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー』/伊坂幸太郎

引っ越した早々、本屋強盗に加担させられた青年

その犯罪の裏に横たわる悲しい過去の事件

現在と過去を行き来する物語

散りばめられる伏線

なかなか明かされない真相にけん引され

ラストまで息をつめて読み切りました

 

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累々

『累々』/松井玲奈

複数の男と同時進行で付き合う女の子

行動の心理が明示されることはなく

過去の片思いだけが象徴として横たわる

掴みどころがなく揺れ動く心情

少女と大人の狭間の不安定な女性像が

行間からこんこんと湧いてくる

 

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あなたがはいというから

『あなたがはいというから』/谷川直子

大学の同窓生と再会した男女が過去の恋に火を付ける物語

還暦を迎え大学時代の恋人と再会した二人

それぞれが抱える家族の問題が二人の距離を縮めてゆく

歳をとっても恋の記憶は褪せることがない

人間は幾つになっても同じことを繰り返す

そんな世界観が二人の心情を擁護する

恋とは病なのだと改めて思う

 

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汚れた手をそこで拭かない

『汚れた手をそこで拭かない』/芦沢央

人を恐怖に陥れる人間の奇行を描いた短編集

迫り来る恐怖と心理的な圧迫感

どの物語も予測不能な結末が待ち受ける

人間の嫌な側面を絞り出すような恐怖体験

次はあなたの番かもしれない

 

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