ぶっくま

あさのが読んだ本の備忘録

評伝ドラマ

ボタニカ

『ボタニカ』/朝井まかて 植物研究家、牧野富太郎の評伝小説 少年は郷里の草花と親しげに話をする 成長し興味が高じた男は家の財を食い尽くし 植物研究に没頭する 困窮の家は妻まかせ、学位に見向きもせず 一研究家として草花を採取する日々 己の道を貫く頑…

らんたん

『らんたん』/柚木麻子 日本の女子教育に力を注いだ河井道の評伝小説 女性の人権軽視が色濃く残る戦前戦後期 女性に教育の場を作ろうと奮戦する女たち 新しい女性像を求めて行動を起こす女たち 明治から昭和初期に活動した女たちの姿が描かれる 女性たちの…

白光

『白光』/朝井まかて 聖像画家、山下りんの評伝が描かれる 西洋画家を目指すも明治の世の混沌に溺れる 出会った師に導かれロシアで聖像画と出会う 勝気で破天荒な性格が余すことなく描かれ その顛末のリアルが人物像を際立たせる 巧みな情景描写に何度も心…

星落ちて、なお

『星落ちて、なお』/澤田瞳子 絵師、河鍋暁斎とその娘、暁翠の人生を描いた評伝小説 画鬼と呼ばれ奔放に絵を描いた父 その凄まじい画才に死してなお翻弄される兄と妹 大正の時代に欧化の影響を受け変貌する画壇 父への評価が古人と落ちてゆく世相の中で 娘…