ぶっくま

あさのが読んだ本の備忘録

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

舟を編む

『舟を編む』/三浦しをん 国語辞典を製作する編集部員たちの辞書出版に向けた奮闘の物語 辞書編纂という仕事を学ぶ一冊 日常生活で出会う言葉を気の遠くなるような時間をかけて コツコツ収集する地味な作業 その情熱がこの国の言葉の文化を総括する 何かを…

晴れ、時々くらげを呼ぶ

『晴れ、時々くらげを呼ぶ』/鯨井あめ 世の中の理不尽にくらげを降らせることで抗議しようとする高校生たちの物語 正直このままありきたりの青春小説で終わってしまうのかと 逆にドキドキしていたのだけど 本を読み終えたとき 僕は確かにくらげが降る空の下…

流浪の月

『流浪の月』/凪良ゆう 本人たちの意思で一緒に暮らした青年と幼女が誘拐事件の加害者と被害者として生きてゆく物語 禁断の愛 社会正義との対立 二人だけが知るお互いの本質 読み進めるうちに透明感のある心を持つ二人を応援したくなる 二人を放っておいて…

旅のラゴス

『旅のラゴス』/筒井康隆 異星の知識を得るために旅をし人間という世界を見た男の物語 旅とは日常生活における束の間の異郷体験 人生を旅に例えることもあるけど、この本にはその人生の全てをかけて旅をするというロマンがある イベント的には相当な波乱を…

異邦人

『異邦人』/カミュ フランスに住む世間擦れした青年が殺人を犯し裁判を経て死刑になる物語 思考回路が異なる人とは永遠に噛み合わない世界がよく描かれている 噛み合わない世界は今も昔も変わらない 女子高生とおっさん、政治と民意、立候補者と有権者・・…

ライ麦畑でつかまえて

『ライ麦畑でつかまえて』/J.D.サリンジャー 世の中に絶望した高校生の揺れる心内を描いた物語 大人の一歩手前の少年の繊細な心情に共感 世の中の不条理と戦う少年の心模様がよく描かれていました 本を読みながら僕がライ麦畑で子供たちを捕まえる仕事をや…